オリンピックという歴史的な祭典、その瞬間が間近に迫っているというのに、まるで実感のない経済状況。
それは4年に一度必ず来る祭典など意味を感じないほどに、深刻な状況が目下に迫っている事実に世界が気づき始めているからではないか。
人類はかつて地球史上類を見ない進化を遂げてきた。人類に飼い慣らされているペット以外の生命体にとってみれば一切称賛されるはずもない、やたら人類にとって住み良い、言い替えれば都合の良い地球環境を作り上げてきたのは、紛れもない事実。
その代償として人類は自然環境の破壊という致命的な痛手を地球に負わせてしまった。
それは今生きている人類のせいでない。がしかし、我々は文明の上に存在し、過去の人類の発展に恩恵を受ける身である以上、過去の人類の代わりにそのツケを払っていかなければならないと、この状況を認識するべきではないか。
つまり、文明の恩恵を受ける身である以上、人類のせいで破壊されてしまったものを修復していくのもまた人類でなくてはならない。
SDGsやESGという流行りの言葉で片付けられて、一部企業が取り組むだけで何とかなる問題では、もはやなくなって来た事実を、少なくとも日本国民ならば誰もが知っておかなければならない。
仮にも基本的人権と安全の保証がされていて目前の生命の危険にも晒されていない、先進国に住む人間である以上は。
主体的にその問題に関して捉えて、目的意識を持ち何らかの行動がしていけるのではないかと、少なくともこの国に住む以上は誰もが興味を持っていくべき義務を負っているはずだ。
山口遥(やまぐちはるか)